小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

プリパラ135話「スマイル0%」感想

好カードが続く神アイドルグランプリファイナル。

SoLaMi♡SMILEとトリコロールという、準決勝にしてある種の頂上決戦ともいえるビッグマッチは、これまで3年間幾度となく繰り広げた激闘の集大成とも言える、まさにベストバウトな一戦となりました。

 

1期のラスボスであるファルル。2期のラスボスである紫京院ひびき。そしてラスボスに非ずとも2人に匹敵するポテンシャルを持つ緑風ふわり。3人寄ればモンシュシュもとい文殊の知恵…どころでは済まされない、プリパラ史上究極にして最強のチーム、トリコロール。今度こそ1に対する感受性で先行を引き当て、そらみスマイルを打ち倒さんとこれまでになく攻めの姿勢で挑みます。

トリコロール優勢の世論を加速させ、試合が終わるまで対戦相手との接触を禁じ、圧倒的パフォーマンスでオーディエンスを湧かせ、ライブが終わり静寂の後に大喝采…

…これ、よくよく考えれば、作シーズンのウィンドリの再現でもあるんですよね。あの時もひびきは似たようなプロセスでセレパラ歌劇団を勝利に導きました。

しかし、今回はウィンドリの頃とは大きく違う物があります。かつてあった支配欲は潰え、かけがえのない仲間ができ、そしてあじみとの和解をも果たした今のひびきは、不正も偽りも一切の穢れの無い、直向きに頂点へと突き進む大スターへと成長を遂げています。

だからこそ、強い! 

全てのわだかまりが無くなった今のトリコロールには、もはや非の打ち所など全くありません。

また、決戦を前にひびきは「プリパラ」の箱に入れていたらぁらのフィギュアを、自身のフィギュアと入れ替えていました。

「プリパラ」の箱が意味するのは、「パラ宿の象徴」。

支配者としてではなく、象徴として頂点に立たんとする…まさに神アイドルに相応しい「皆に魅せる」ライブは、怒涛の4連続メイキングドラマによってオーディエンスのボルテージが最高潮に達し、そらみスマイルに敗北感を植え付けました。だめだ…勝てない…どうしても…!

 

トリコロールへの歓声が止まぬ中でライブの準備に入るそらみ。そんな時にふとらぁらが口にしたのをきっかけに、3人が初めて出会った時の思い出話に更ける。

3人が出会ったから、ここまで来れた。それだけでも悔いはないと…だけど、諦めるつもりもない!3人がいる、みんながいる…そう思った時、みれぃはふと思い、曲の変更を指示します。

…1期のファルルや2期でのひびきに大敗した時の事を想うと、かなり成長したと思います。もう負けたショックで打ちひしがれる事は無いし、引退を宣言するなんて事もない!どんな逆境に追い込まれても、自分達で立ち直らせることが出来る程に、らぁら達のメンタルは非常に強い物になっていたんですね。

そんな強靭な気持ちで臨んだライブは、客席の中からのマイクパフォーマンスで始まります。

プリパラは好きぷり?

私の籠の中の小鳥ちゃん達ぃ~?

みんないっくよー!

オーディエンスに語りかける。それも皆と同じ目線で。そして歌う曲はまさかの、全ての始まりの曲である「Make it!」!

そらみスマイルの軌跡をたどる連続メイキングドラマ!更にサイリウムチェンジ後にもう一度メイキングドラマ!

そしてそして最後はみんなで大合唱!オーディエンスのボルテージも再び最高潮に達しました。オーディエンスをも巻き込んだプリズムボイスが煌めくライブは、こちらも1期クライマックスのミラクルライブを彷彿とさせます。

そらみスマイルの理念は、みんな笑顔で、そして楽しむ事。オーディエンスは見せる相手ではなく、一緒に楽しむ仲間。だからこそ、皆と同じ目線で呼び掛ける事からスタートし、曲も皆が知ってる曲で、そして一緒に歌おう!と呼び掛け、大合唱で最高のフィナーレを迎えました。「み~んな友達、み~んなアイドル!」を体現する、ひびき曰く暑苦しいライブ、まさに「皆で盛り上げる」ライブは、これもまた、パラ宿の象徴、ひいては神アイドルに相応しいライブなのです。

「皆に魅せる」ライブと「皆で盛り上がる」ライブの対決。それはどちらも甲乙付けがたい理想的なライブであり、評価も真っ二つに別れる程の接戦となりました。

そしてメガネ一つ分というわずかな僅差で勝利したのは、そらみスマイル。

ひびきは「ポピュリズムの勝利」と評しましたが、裏を返せば、そらみスマイルはそれだけパラ宿のアイドル達に潜在的な人気がある。とも言えます。そらみスマイルはパラ宿がホームのチーム。地の利が勝利をもたらしたと。「次はプリパリでやろう!」とひびきが言い放ったのも頷けます。もしグランプリがプリパリでの開催だったなら、立場は180度逆転していたでしょうから。

 

トリコロールの「魅せる」ライブと、そらみスマイルの「皆で盛り上げる」ライブ。それはひびきとらぁらのそれぞれの理念が極まったライブでもあります。らぁらもひびきもベクトルは違えど、象徴として、偶像として、そしてアイドルとしては最も理想的な姿であり、だからこそこの闘いは、スプドリでは深く描かれなかった「らぁらとひびきの真の直接対決」だったと感じます。これまで2期でやり残していた事を、3期で少しずつかけて回収していきましたが、今回はまさにそんな2期にあったあらゆる事の集大成でした。

そして遂にグランプリは決勝戦へ。そらみスマイルvsドレッシングパフェ。今回がベクトルの違う最上級の闘いなら、今度のはベクトルも理念も同じ、まさにライバル同士の闘い。遂にパラ宿の物語もクライマックスを迎えようとしています…!