先日、公式から気になるアナウンスが出されました。
タイム2弾からのゲームバランス調整のお知らせ
http://pripara.jp/news/detail?seq=1078
このお知らせで、「マイ☆ドリチケボーナスの下方修正」が行われる事が判明し、話題になっています。
そもそもマイドリチケとは、2015シーズンの5thライブと6thライブ、日付にして2015年11月26日から2016年3月7日までの約3か月弱というわずかな間だけドリームシアターに実装されていた、トップス・ボトムス・シューズ・ヘアアクセとプリチケが分かれていたコーデをドリチケ1枚に纏める事が出来るシステムでした。
コーデの管理が効率化できるほか、更にこれでコーデした際のボーナスは2倍になるため、アイドルランク上げやスコアアタック用としても重宝されてきました。
私の場合はお気に入りのコーデのいいね数値が低いため底上げにと作成したので、写真の2枚しか作りませんでしたが…(
そんな今となっては過去の遺物でしかないマイドリチケですが、「アイドルタイム」となった今ですらここまで話題に上がるのは、色々と理由がありました。
という訳で今回はそんなマイドリチケを、コーデのいいね数値についても含めて色々とお話していきましょう。
まず、コーデのいいね数値は、神からNまで、レアリティの高さによって決められており、基本的には同じレアリティなら同じ数値となっております。
…なのですが、実は2015シリーズまでのコーデと、神シリーズ以降のコーデとでは、レアリティが同じでも数値が違っています。理由は、2015シーズンまで実装されていた「スターランク」の存在にありました。
スターランクとは言わばコーデの「レベル」であり、コーデを入手する代わりにランクを上げることで、そのコーデの数値を上げる事が出来るシステムでした。全部で10段階あり、最大ランクまで上げたコーデの数値は元の値に+300。かなりの上げ幅です。
ただ、最大ランクまで上げるにはそれ相応のお金がかかるので、よほどの廃課金プレイヤーでないとホイホイと上げられないのも実情でした。
そこで2016年、神シリーズ展開にあたって、スターランクを廃止する代わりにいいね数値の底上げが図られました。元からスターランクが最大だったCRも底上げされました。
…が、初期値ではたしかに神シリーズの方が高いものの、スターランクを最大にした場合、従来仕様の方が数値が高くなってしまいます。
しかしその辺はうまく調整されてました。例を挙げて説明しましょう。
・新仕様PRコーデ
トップス:1130 ボトムス:1080 シューズ:1130 ヘアアクセ:800
合計:4140
・旧仕様PRコーデ
トップス:890 ボトムス:840 シューズ:890 ヘアアクセ:500(※)
合計:3120 ※ヘアアクセは神シリーズ以降の再録枠での数値
このように、従来仕様が初期値の場合、神シリーズ以降の新仕様の方が数値は高いです。では、これがスターランク最大の場合どうなるかというと…
・新仕様PRコーデ
トップス:1130 ボトムス:1080 シューズ:1130 ヘアアクセ:800
合計:4140
・旧仕様PRコーデ(スターランク最大)
トップス:1190 ボトムス:1140 シューズ:1190 ヘアアクセ:500(※)
合計:4020 ※ヘアアクセは神シリーズ以降の再録枠での数値
おや?コーデ単独では従来の方が高いですが、総計では新仕様の方が高くなっています。そしてヘアアクセは何故そのまま…?
実は、従来仕様のヘアアクセはマイチケではなくトモチケ部分の「ガチャチケ」という形で排出される物であり、更にガチャチケにはスターランクの代わりにランダムに設定される「レベル」が存在し、このレベルに応じていいね数値が決められています。レベルは1~50まであり、Lv30で500、最大のLv50で700いいねが設定されます。
このように従来仕様ではヘアアクセのいいね数値が変動する為、さっきの比較では再録でマイチケとして排出される際のいいね数値を基準にしていました。
では新仕様と総計を揃えるにはどのレベルのヘアアクセが要るかというと、
Lv42(620いいね)
になります。しかしここまでの高いレベルのヘアアクセを排出するのは、完全ランダムである以上かなり至難の業であるため、コーデを揃えた上で新仕様を越えるのはかなり難しいものであるのが判ります。
…しかし、それを凌駕する方法がひとつだけありました。そう、それがマイドリチケでした。
新仕様のPRコーデ、最も数値が高いSCRコーデ、そしてマイドリチケを、コーデボーナスをフルで適用させた状態で比較してみると…
・新仕様PRコーデ
コーデ:4140
ブランド3:300 ピッタリコーデ3:500 イチオシカラー:500 マネージャー:1000 最新コーデ:200×4=800
ボーナス合計:3100
総計:7240
・SCRコーデ
コーデ:4650
ブランド2:200 ピッタリコーデ3:500 イチオシカラー:500 マネージャー:1000 最新コーデ:200×3=600
ボーナス合計:2800
総計:7450
・旧仕様PRマイドリチケ(ランク最大・ヘアアクセLv30)
コーデ:4020
ブランド3:600 ピッタリコーデ3:1000 イチオシカラー:1000 マネージャー:2000
ボーナス合計:4600
総計:8620
このように、最新コーデは新仕様と最新ボーナスで数値が上がってるのにもかかわらず、マイドリチケはボーナス2倍により、総計で高い数値を叩き出してしまうのです。
…が、それは2016年7月中旬までの話。同年7月20日以降、マイドリチケボーナスの対象から、イチオシカラーとマネージャーのボーナスが外されたからです。この結果、
・新仕様PRコーデ
コーデ:4140
ボーナス合計:3100
総計:7240
・SCRコーデ
コーデ:4650
ボーナス合計:2800
総計:7450
・旧仕様PRマイドリチケ(ランク最大・ヘアアクセLv30)
コーデ:4020
ブランド3:600 ピッタリコーデ3:1000 イチオシカラー:500 マネージャー:1000
ボーナス合計:3100
総計:7120
と、わずかながら新仕様やSCRの方が総計が高くなるよう調整されました。
ところが、マイドリチケには、「ヘアアクセを別のものに変えてもマイドリチケボーナスが適用される」という、言わば「システムの穴」があったのです。
これが何を意味するのか。例えば、ヘアアクセを神ヘアアクセに変更すると…
・旧仕様PRマイドリチケ(ランク最大)+神ヘアアクセ
トップス:1190 ボトムス:1140 シューズ:1190 ヘアアクセ:850
コーデ合計:4370
ブランド3:600 ピッタリコーデ3:1000 イチオシカラー:500 マネージャー:1000 最新コーデ:200
ボーナス合計:3300 総計:7670
・SCRコーデ
コーデ:4650
ボーナス合計:2800 総計:7450
なんということでしょう。従来仕様のヘアアクセよりも高い数値を持ち、更に常に最新ボーナスがかかる神ヘアアクセに変えただけで、またしてもSCRを超えてしまっています。
この状況を鑑みてなのか、2017年6月より稼動される予定のタイム2弾から、遂にマイドリチケボーナスに大ナタが振るわれる事になりました。
・倍率を2倍から1.2倍に変更
・ヘアアクセ変更した場合マイドリチケボーナスが無効に
この下方修正が施される事になり、その結果…
・旧仕様PRマイドリチケ(ランク最大・ヘアアクセLv30)
コーデ:4020
ブランド3:360 ピッタリコーデ3:600 イチオシカラー:500 マネージャー:1000
ボーナス合計:2460 総計:6480
・旧仕様PRマイドリチケ(ランク最大)+神ヘアアクセ
コーデ:4370
ブランド3:300 ピッタリコーデ3:500 イチオシカラー:500 マネージャー:1000 最新コーデ:200
ボーナス合計:2500 総計:6870
・新仕様PRコーデ
コーデ:4140
ボーナス合計:3100 総計:7240
・SCRコーデ
コーデ:4650
ボーナス合計:2800 総計:7450
このように、総計は新仕様PRよりもかなり低い数値になり、ヘアアクセ交換の場合はボーナス2倍自体消滅するため、交換前とあまり大差ない数値に落ち着く事になります。これでマイドリチケ無双も、終焉を迎える事になりそうです。
ちなみに、現在稼働中のタイム1弾のチームSCRは、数値が従来SCRよりもさらに高い数値になっています。最強コーデも日進月歩という訳ですね…
最後にもうひとつ。
そもそもなんでこうも何度もゲームバランスが調整されるのか。それはひとえに「新規プレイヤーが不利にならない」為です。
稼動やシリーズ展開が長く続いてくると、初期からやっているプレイヤーと最近やり始めたプレイヤーとでは、どうしても実力差が生じてしまうのが世の常です。
その差を埋める策のひとつが、公式からの「バランス調整」な訳です。
遊戯王やデュエマ等のカードゲーム辺りでも、「禁止カード」の設定といったレギュレーションの変更という形でバランス調整が行われています。最近だと遊戯王のルール改定が大きな波紋を呼びましたが、これもまた、ビギナーもベテランも関係なく新たな戦略を練る必要が出てくるという面では理に適っています。
プリパラの場合、そもそも対人ゲームではないのであまりさしたる問題ではないのですが…公式サイトに載ってる週間ランキングの上位がマイドリチケ使用と思われるスコアアタッカーで埋め尽くされている事、店頭大会である神アイドルグランプリにおいて、入賞者にマイドリチケ使用者が少なからずいる事、そして何より、マイドリチケ自体はもう過去の遺物な「筈」である事。…今回大ナタが振るわれたのは、そういう背景があったのは容易に想像できます。
スターランク廃止&数値底上げや、イチオシカラー及びマネージャーボーナス、更にアンコールシステムやマネージャー制限の撤廃。これらもまた、新参でもアイドルランクの上昇がしやすくなるようにと神シリーズで実装された「新参とベテランの差を埋める策」でした。
しかしそれでもなおマイドリチケの方が有利になるという、例えるなら「初代ガンダムでZZガンダムをぶっ壊せる」ような逆転現象が1年ほど続いたのを見ると、今回の対応はむしろ遅すぎた感も否めませんね…
スコアアタッカーには打撃を受ける事態となった今回の調整ですが、逆に言えば、神シリーズ以降の後輩世代でもスコアアタックに参加できる土壌が出来たという事。ランキングの様子もまた変わっていく事でしょう。
でもまぁ一番大事なのは…
好きなコーデで、好きなように遊ぶ。これに尽きると思います。