小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

アイドルタイムプリパラ42話「ディア・マイ・トモダチ!」感想

価値観の「ずれ」が、紡がれようとしていた友情を引き裂いてしまった、しゅうかとガァララ。

しかし、フラれたガァララも、フったしゅうかも、その目には悲しみの涙がありました。

そんなふたりを救ったのは、

ひとりの閻魔様と、

ひとりの怪獣と、

そして、

ひとりの神アイドル――――

 

・本当の気持ち

あの一件以来、ガァララについては一切シラを切っていたしゅうか。しかし本心は、裏切られた事に許せない想いよりも、悲しい想いの方が強かったのです。大好きだったから故の、悲しみ。

それでもゆい達の前では強情を張り続けるしゅうか。しかし、ミミ子だけはしゅうかの本心を見抜いて、いや聞き抜いて(?)いました。

出会ってからずっとしゅうかと共にしていたミミ子は全て分かっていました。いつも自分に正直であるしゅうかが、本心を隠すなんてらしくないと。

その上でガァララと仲直りしようと皆で持ちかけますが、それでもしゅうかは余計なお世話だと、店にこもってしまいます。

ところが、事態は思わぬ方向へと向かいます。姉のみあが突然、しゅうかの為にライブをすると、わざわざ全国放送で高らかに宣言したのです。

 

一方のガァララ。一連の件はガァララが悪いとガァルルに諭されます。でもそれは自分が生きる為にやっている事であって仕方のない事。しかしその一方で、しゅうかが悲しむのはもっと嫌だったのです。

どうすればいいのか分からないガァララに、ガァルルはしゅうかと仲直りしようと持ちかけます。しかし、やった事も無ければやり方も分からない事に、ガァララは怖がって踏み出すのを躊躇うばかり。

それに対しガァルルは、失敗するのが怖いなら、失敗しちゃってもいい!とガァララに叱咤激励をかますのでした。

「劣」というマイナスから生まれ、何度も失敗を繰り返しながらも、少しずつ成長していったガァルルだからこそ言える金言。

「失敗の失敗は成功なのだ!」

バカボンのパパめいてますが、ほんとガァルルは人生に大切な名言を残していきますね…!

 

・伝説の神アイドルからのエール

これまで、妹の様子を見ては放っておいていたみあ。それはしゅうかが自分の事は自分でなんとかする性格なのを知っているからなのでしょう。しかし、しゅうか自身でもなんとか出来なかったその時、みあはここぞとばかりに一肌脱ぐのでした。

とはいえ、アイドルタイムも貯まらないのにどうやってライブを…と思いきや、ライブすると聞いたファンの期待感で一気にMAXに。…これが伝説の神アイドルの力。全国放送で予告したのも、これを狙ってやったのだと考えると、ほんとここぞの時の奥の手だったんでしょうな…

ゆい達、しゅうか、そしてガァララ、更にまたしてもどっかで見たようなモブが集うなか、幾年ぶりにステージに立つ伝説の神アイドル・みあ。

歌う曲はまさかまさかの、「Dear My Future ~未来の自分へ~」。「プリティーリズム・ディアマイフューチャー(以下DMF)」のOP曲にして、劇中で上葉みあ達「Prizzmy☆」の持ち歌でもあるあの曲そのものです。

その歌詞は、まさにしゅうかとガァララに対するメッセージでもありました。

 

「勇気を出して今、一歩踏み出そう」

「挑戦する精神(こころ)が大事さ 何度でも立ち上がろう」

 

伝説の神アイドルによるエールは、確かにしゅうかとガァララの心に届きました。歓声に沸く中、二人は意を決して想いを打ち明けました。

しゅうかもガァララも、互いに「ともだち」でいたい。それが二人の本当の気持ちでした。だからこそ、しゅうかはガァララにトモチケを交換しようと提案します。生まれて初めてパキるガァララは喜んでパキるのでした。

そしてミミ子とも…それまで単なる付き人でしかなかったミミ子。しかし、彼女が一番自分の事を気にかけていたのを想い、しゅうかはミミ子もまた「ともだち」であるのを認めたのです。

そしてガァララは、しゅうかとある約束をしました。友達であるしゅうかを悲しませるような事は絶対にしないと。例えそれが、自分が起きていられる事を止める事であっても。ガァララもまた、「ともだち」という、自分の欲よりももっと大切な物を見つけたのだから。

 

・プリティーシリーズ7年分の煌めき

プリパラという形式で久しぶりにステージに立った「みあ」。

曲もさる事ながら、振付もまた当時の振付をマイク持ちでアレンジしたものとなっており、更にモーションアクターは、当時の上葉みあのモデルでもある、元「Prizmmy☆」の日下部美愛さんによるものという、DMF劇中の「みあ」と6年間プリティーシリーズを支えてきた「美愛」による完全体の「華園みあ」がそこにはいました。

また、ステージセットは劇場版「プリズム☆ツアーズ」にも出ていたプリティーリズム3部作を象徴したものであり、メイキングドラマはこれまたDMF当時の、みあのジャンプ「きらめきフューチャースター」が現在のCGで再現されたもの。サイリウムタイムでは、サイリウムコーデの輝きに加え、DMF劇中で付けていたフラッシュグローブの軌跡が走っているというハイブリッドな演出も見られました。

元々、「Dear My Future ~未来の自分へ~」はタイトルにもあるように、自分に対するエールとした曲ですが、今回に限ってはしゅうかとガァララに対するエールとなっているという、久しぶりにプリパラ曲の本編とのシンクロを感じ取れました。

 

プリリズキャラによるエール…というと、1期のコスモさん初ライブを思い出しますね。あの時も、ファルルに圧倒されテンションが狂っていたらぁら達6人を勇気づけていました。

プリリズのキャラと曲という「過去」の存在が、プリパラという「現在」に現れて、「未来」へのエールを送った…

奇しくも、この回が放送された翌日、プリパラの後継作「キラッとプリ☆チャン」が発表されました。

「過去」のプリリズ。

「現在」のプリパラ。

そして、「未来」のプリチャン。

みあのライブは、そんなプリティーシリーズの長い歴史を体現するライブだったのかもしれませんね。