小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

アイドルタイムプリパラ50話「夢のツバサで飛べマイドリーム!」感想

悲しみに暮れる、孤独なマスコット。

闇に呑まれんとする、神アイドル。

時の流れで失った「きらめき」。

 

人類創世から幾千年、その「時」はずっと、止まり続けていた。

しかし、それももう終わりにしよう。

全てを清算する時がきたのだ!

 

アイドル開拓期。からのアイドル創世伝説。遂にクライマックス―――――

 

・幾千年もの忘却

遂に時計塔パックへ突入したマイ☆ドリ。そこで3人が見たのは、今にも凍てつく闇に呑まれようとしているらぁらと、輝きを失ったおびただしい数のジュエル。

そんな中、精神世界でひとり、皆の助けを信じて待ち続けるらぁら。この時点でもう友達を信じてるとは流石らぁら…しかし、そのらぁらの前に現れたのは、生気を失った「女の子の夢」たちでした。

パックと融合した時計塔、あの中には、今までパックが奪ってきた「女の子の夢」が詰まったジュエルが大量に納められています。しかし今、その大量のジュエルは、幾千年もの時の流れで完全に忘れ去られたいま、輝きを失っていたのです。

そしてそのジュエルが今パックの中にいるという事。…パックが今まで奪ってきたジュエルが輝きを失い、パックの悲しみを増幅させたと思うとなんたる因果応報か…

まずはらぁらを救わんと、時のコーデを纏いライブに。ゆい達のライブはらぁらの精神世界にも届き、夢たちも、幾千年ぶりのライブに僅かながらも輝きを取り戻し始め、らぁらのかしこま起床とともに、精神世界の外に飛び出ました。

しかし、パックはまだ粘ります。かしこま起床で再び窓が砕けたものの、再び塞ごうとします。らぁらだけでも脱出させたものの、夢たちはやっぱりねとまたしても生気を失ってしまいました…

パック、ここまでくると往生際が悪いというか…(

 

・初めてのドキドキ思い出して

ですが、ファララ達も諦めません。ファララとガァララは再びステージを発現させ、神アイドルとゴッドアイドル、即ち、そらみドレッシングによる最後の賭けともいえるライブを敢行します。夢を忘れた夢たちに、そして、パックに、「初めての夢」を思い出させるために。らぁらが纏うのは水色コーデ…つまりこれぞここぞという時の「切札」ッ!

そらみドレッシング満を持して歌うのは、「Memorial」。しかも今回は演じるi☆Risの6人のモーションキャプチャーによる振付という特別なもの。

元よりプリパラは、歌う曲が話の内容とリンクする…と度々言いましたが、今回も、元々は最終クールのOPで「Make it!」に対するアンサーソングという位置づけですが、ここでの「Memorial」は、夢を忘れた者たちへのエールそのものでした。

初めてのドキドキ思い出して 何もかも輝いて無敵にだってなれた

「夢叶えるエールを送り合う仲間がここにいる」

「誰だって始まりは未熟なチャレンジャー」

「時を越え夢のバトンを繋いで」

そらみドレッシングによるエールは、今までの各チームの振付をオマージュした振付でマイ☆ドリも加わり、そして更にしゅうかも加わった、10人の想いを込めたライブとなります。

すると、一人、また一人と、夢を忘れた夢たちは徐々に、神アイドルになりたいという大きな夢から、しいたけが食べられるようになりたいという小さな夢まで、自分が何の夢だったかを思い出します。そしてジュエルにも再び輝きを取り戻したのです。

そしてダメ押しにと、ゆい達だけでなく、観客のみんなも、他の地方の子たちも、そして夢たちもを歌いだします。パックにエールを送るために! やはり最後は全員の想いの力…!

「願いは歌になってくれるから」

「小さなジュエル無くさないで」

…「Believe My DREAM!」はもう、この時の為にあったんじゃないかと思うくらいのシンクロ率。

そして会場にいる皆で放ったメイキングドラマ。

「み~んな集まれ!アイドルはじめる時間だよ!アイドルタイム夢オンリーワン!」は、アイドル達が集結し、これまで各シリーズのクライマックスが凝縮された、プリパラ4シーズンの集大成ともいえる究極のメイキングドラマでした。

そしてその強い想いの力は、ジュエルの輝きを増し、遂に時計塔パックの窓という窓を突き破り、「夢」は世界中に放たれました。まるで、闇に包まれていた魂が浄化されるかのように…

ある夢は魂となって、またある夢は戻るべき場所、つまり女の子の元に戻っていきます。その女の子が歳をとっていたとしても。夢を取り戻した人々は、そのままプリパラへと詰め寄るのでした。失った時間を取り戻すかの如く…!

 

・本当にすべきだった事、本当に求めていたもの。

ライブの中で、マイ☆ドリの3人は、パックにそれぞれエールを送ります。

ゆいは、パックと仲良くなるという新しい夢を見つけたと。にのは、むしゃくしゃしたら一緒に身体を動かそうと。みちるは、一緒に仲間のプー民を導こうと。

3人とも、47話の時とは大きく違うものがありました。それは、パックに「寄り添う」こと。

困っている者、悲しんでいる者に対して、ゆい達がすべきだったのは、モノを与える事ではなくて、その者に寄り添う事だった…この短時間で、ゆい達はそれに気づいたんですね。

らぁら達はそれをよく分かっていました。そして何より一番分かっていたのが、ガァルル。独りぼっちだと思ってた。でもそうじゃないと。世界は広い。必ず寄り添ってくれる誰かがいると。

更にガァララは、パックにある昔話を語り、パックに思い出させました。

ある時、いつものように奪っていった夢のジュエル。それがキラキラ輝いてるのをガァララが喜んでるのを見て、パックは時計塔の中に夢の美術館を建て、そこにジュエルを飾りました。にのの夢は、その時に飾ってたものだったんですね…

それを聞いてパックは、光り輝くジュエルを見て、ふと思います。ジュエルが綺麗なのは、夢があるから…? と。

そして、パックは気づいたのです。自分の夢、元々の夢、それは、ガァララが笑顔になる。ただそれだけだった事を。

ガァララを眠らせない為に夢を奪い続けたのも、夢の美術館を作ったのも、全てはガァララが悲しむのを見たくなかったから。それなのに、いつしかその想いは歪み、ガァララを自分の物にしたいという欲へと変わり、元々の夢を忘れてしまっていた…

パックは、ゆいのせいで自分が悲しんでいると言っっていました。しかし今、自分のせいでガァララが悲しんでいる。それに気づいたとき、パックを覆う悲しみの氷結は溶け、砕け散りました。

ガァララの呪縛はもう解かれた。もう、パックひとりで悩む必要はなくなったのです…!

そして、最後に溶けた巨大な氷の中にあったのは、ゆいの元へと戻っていく巨大なジュエル。パックが食べきれなかったゆいの夢が、一つの巨大なジュエルとなっていたんですね。

ようやく12時を回った時計塔の針。パックはゆいの事を「いい子だ」と言い残して、元の姿に戻っていきました。

 

・プリパラ創世伝説。

全ての元凶である、ファララとガァララを縛る物は解かれ、女の子の夢は全て元のあるべき場所へと戻り、そしてパックも、悪い夢を食べるというのが本来の役目である事が判り、全てのわだかまりは清算されました。

「アイドルタイム」とは「待機時間」。つまり、「時が止まる」という事。未完成のまま「時」が止まっていたパパラ宿は、幾千年の時を超えて、遂に完成を迎えたのです。

プリパラ空白地帯だったパパラ宿。そこをらぁらとゆいの二人で開拓する物語は、やがて古代パパラ宿の真実へとたどり着き、そして、らぁらとゆいと二人の友達みんなの力で、「時」を動かすという結末となりました。

…昨シーズンが「プリパラ神話」なら、今シーズンは言うなれば、「プリパラ創世伝説」。今ここに、大団円!

 

…あ、もうちょっとだけ続くんじゃよ。