小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

新幹線変形ロボ シンカリオンZ 第4話「打ち上げろ!ハナビのロックンロール!!」感想&解説 ~やっぱり全力でロック~

シンカリオンZ E6こまちの運転士、大曲ハナビ。

彼は大曲で有数の花火職人の家の生まれだった。

一方で、小学生ながらギターを奏でるロックな魂も持ち合わせている。

一見無関係に思える花火とロックだが、ハナビにはその2つに強い思いがあるようで…?

 

・花火もロックもシンカリオン

親睦の為にハナビの家を訪れたシンが見たのは、本棚にびっしりと埋められた音楽CDだった。これは元々は打ち上げ花火の会場で、花火に合わせて流すものだった。
父が作り上げた花火と、打ち上げに合わせて流す音楽のハーモニーに感銘を受けたハナビは、自身が演奏するロックに乗せて打ち上げ花火を盛り上げるという夢を持つようになる。ロックを始めたのも、花火の為だったのだ。
そんなハナビが、更にシンカリオンの運転士をも引き受けたのは、シンカリオンで戦う事にロックを感じたからだという。理屈じゃ言い表せないが、ガーッと感じるものがあると。
だが、ハナビの父、大曲タネビはそれを快く思わなかった。花火とロックの2足のワラジ、更にそこにシンカリオンの運転士など、いずれも中途半端に終わるのがオチだ。やるならどれかに絞れと。
互いの主張は並行線が続いていたハナビとタネビ。このあと予定していた花火ショーの手伝いも、盛岡でのシンカリオンの用事で行けない事で更に険悪な事態に。そんな様相に、シンは両親にひとつお願いをする。息子の戦いを、見て欲しいと。

…この歳になると、親父さんの言い分も分からなくもないですねぇ。「二兎を追う者は一兎をも得ず」なんて諺があるように、アレコレ欲を張ってては得るものもなくなるのは事実。しかし一方で、若いうちに色々と経験を積むことは大事なのも分かるので、ほんと難しい話です。
しかしまぁ、打ち上げ花火に音楽。ちょっと前に九州新幹線でやってた「流れ星新幹線」。そのクライマックスとして筑後船小屋駅付近で行われたパフォーマンスでも音楽に合わせてライト演出や花火を打ち上げてたように、最近は「五感」で味わうパフォーマンスが増えましたね。打ち上げ花火もまた、進化しているんですなぁ…電子式の打ち上げ装置もそうですし。

・何においても全力でロックする!

またしても前回と同じ場所に現れた巨大怪物体。石化光線を発射するその様からやっぱりゴルゴンだ!と今回もシンのオカルト洞察力が冴える(でもどっちかというとメドゥーサでは…?)が、そのまんま「やっぱりゴルゴン」をコードネームにする十河指令長…
捕縛フィールドをも石化された影響で捕縛フィールドは崩壊。やっぱりゴルゴンは謎の地下洞窟に逃げ込んだと思いきや、最奥にあった謎の黒い石碑を破壊する。
危険な戦いを両親が見つめる中、ハナビは「ここからはロックに決めるぜ!これが今日のラストナンバーだ!」と、ネックスキャノンからまるで打ち上げ花火のような閃光弾で敵を封じ、ネックスVVVFブラスターで仕留めるのだった。
戦いが終わり、花火ショーも終わった後に気まずい顔で戻ってきたハナビ。そんなハナビに父は、戦いを見て、何においても全力で「ロックする」息子を認めるのであった。

…ハナビが何故シンカリオンの運転士になれたのか、判った気がします。花火も、音楽も、シンカリオンも、すべては彼のロックな魂をたぎらせるから。何においても全力で向かう姿勢。そうしたものが適合率にも反映されてるのでしょう。「好きに正直」な事が適合率を上げる秘訣なのは前作でも触れられてましたが、ハナビのそれはそこから一歩踏み込んだものなんですな。

そして、敵の目的も少しずつ判ってきました。ある特定の土地に拘っているのは、これまでのワダツミやヴァルトムの行動、そして十河指令長の勘からも伺えますが。その地の地下にはOPにも映ってた黒い石碑が。そしてそれを破壊する事が彼らの目的だとすると、あの石碑は何かを封印するものか何かだというのでしょうか…?

・今回の鉄道ポイント:結構ある新幹線の車庫

前回の時点でE5とE6を盛岡の車庫に置いたままなのか、今回は両方とも盛岡からの出撃になっていましたね。なので今回みんな大曲と盛岡の間を1往復半していた事に。車で約1時間50分。「こまち」利用でも約1時間…や、アニメで実際の距離感の事なんか考えても野暮な話なんですが、田端~横川間とか碓氷の廃線跡とか太田薬師とか、毎回距離感で突っ込みたくなる要素がどうしても出てくるのは、実在地が舞台な作品のサガですな…毎回頭が戸津川警部になっちゃう(

まぁそれはさておき、盛岡にシンカリオンを待機させていたように、新幹線は全国各地に車両基地が設けられています。新幹線が動かない深夜に車両を集めておくのは勿論、閑散期や昨今の情勢では車両が余るのでその留置、折り返し整備の為の一時待機、小規模な検査修繕、ドクターイエロー等の試験車両の留置、異常時の車両収容などなど、目的は様々。
車両基地というと、一般公開も行われている浜松や博多、仙台などの印象が強いでしょう。そういった車両基地は先述の役割に加え、「大規模な検査・修繕を行う工場設備」も備えたものであり、主に「総合車両センター」「総合車両所」と呼ばれています。
そして総合車両センター以外の車両基地は、所属車両がない所が多い。という特徴もあります。これは1路線で広範囲をカバーする新幹線の特性上、1路線、もしくは1事業者を走る車両は登記を1か所にまとめた方が良い…という理由かと思われます。(詳しい理由は知らん)

そんな新幹線の車両基地を、北から順に、設備の違いなども入れてリストアップしてみました。太字は工場設備を持った基地。色付き文字は所属車両のある基地で、色はJR各社ごとに分けています。(2021年5月現在)

・東北・北海道新幹線

函館新幹線総合車両所新函館北斗駅東寄り。

盛岡新幹線車両センター青森派出:新青森駅から北方面。
(盛岡新幹線車両センター八戸派出:八戸駅付近。青森派出開所の際に廃止)
盛岡新幹線車両センター:盛岡駅から北方面。
新幹線総合車両センター:仙台駅から北東方面。東北本線新利府駅最寄り。
那須塩原電留線:那須塩原駅から北東方面。留置専用。
山新幹線車両センター:小山駅から北東方面。
東京新幹線車両センター:上野駅から北方面。山手線田端駅最寄り。

・秋田・山形新幹線

秋田車両センター秋田駅から南方面。在来線車両も所属。

新庄駅:駅そばに車庫機能あり。
山形車両センター山形駅から南方面。在来線車両も所属。

上越北陸新幹線

新潟新幹線車両センター新潟駅から東方面。白新線東新潟駅最寄り。

軽井沢駅:東寄りに電留線あり。留置専用。
長野新幹線車両センター長野駅から北東方面。19年台風19号では大変なことに…
白山総合車両所金沢駅から南西方面。

東海道・山陽・九州新幹線

大井車両基地:東京駅から南方面。車両所属は厳密には「東京交番検査車両所」。
三島車両所:三島駅西寄り。
岡電留線:静岡駅から北東方面。東海道本線東静岡駅最寄り。
浜松工場:浜松駅から南西方面。新幹線唯一の工場機能のみの施設。
名古屋車両所:名古屋駅から北西方面。
鳥飼車両基地新大阪駅から北東方面。車両所属は厳密には「大阪交番検査車両所」。
新大阪駅新大阪駅西寄りに引上線あり。

博多総合車両所岡山支所:岡山駅から西方面。
博多総合車両所広島支所:広島駅から北東方面。
新岩国駅:駅そばに留置線あり。留置専用。
博多総合車両所本所博多駅から南方面。博多南線博多南駅最寄り。

熊本総合車両所熊本駅から南方面。鹿児島本線富合駅最寄り。
川内新幹線車両センター:川内駅から南方面。部分開業時代は工場機能も有していた。

 

実は前作でも、第6話でE5とE6が白山総合車両所で、32話で大宮組4機が長野新幹線車両センターで待機している描写があり、3話と42話では台詞でのみですが利府の新幹線総合車両センター機体を移送するという描写もありました。シンカリオンは運転士の遠征に合わせて機体も最寄りの車両基地・もしくは支部まで回送させる運用をしているのが見て取れます。こうした運用は新幹線のロボならではの描写で良いですね。
今後もその辺の描写があるかもしれないので、予備知識として頭の隅に入れておいていただければ幸いです。

 

これでシンカリオンZの運転士は2人に。
そして既に3人目の候補も…次なる場所は、長野!
が、こっちもこっちで一筋縄ではいかないようで…?