小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

~夢と魔法の1時間半~ 「KURO-OBI -VIRTUAL IDOL POWER 2021-」感想

なんだ…これは?

最初にこのイベントを知った印象がこれでした。

去る6月27日、配信ライブとして開催されたヴァーチャルライブフェス、
「KURO-OBI -VIRTUAL IDOL POWER 2021-」。

日本から生まれ、世界中に人気を誇る「アニメ」と「Vtuber」。
その2つを融合した夢のオンラインライブを行うというのがコンセプトだそうで、その出演陣に、我らが「プリパラ」から真中らぁらも出演し、またVtuberサイドからも知ってる人が何人かいたものなので、一体どんなライブになるのかも分からないままチケットを買って観たのですが…

いやはや、良いものを見させていただきました。

それはまさに、「夢」と「魔法」の1時間半…!

 

今回出演したのは5人。

Vtuberサイドは、「ホロライブ」所属の船長こと「宝鐘マリン」と、のらのらお姫様「姫森ルーナ」。そして個人勢ながら多大な活躍を見せる新人ナース「名取さな」。
そしてアニメサイドは、「プリパラ」の主人公のかしこま神アイドル「真中らぁら」と、「魔法の天使クリィミーマミ」より、主人公・森沢唯が変身する午後8時のシンデレラ「クリィミーマミ」。

…たった5人ながら、なかなか錚々たる面々です。
センターが奇しくも「プリマジ」の要素である「魔法アイドル」の第1人者であらせられるあのマミさんですし、そのマミとコラボした事もある真中らぁらに、更にプリパラ大好きな事で自分も良く知っていた名取さんもご出演となれば、やっぱこう見たくなるもので…ホロライブ勢のお二方は正直詳しくなく、マリン船長のみフォロワーのニコ生で度々推し語っていたので少しは知っていた程度だったのでその辺が不安でしたが…ぶっちゃけ杞憂でした。むしろ、なかなか良いドラマ性を持っていた事に気づいたので…

 

・み~んなアイドル!船長たちもアイドル!

 ※本イベントは配信のスクショのSNSやBlog等への掲載が公式より許可されています。

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トップバッターはホロライブ勢。
ルーナが「キラメキライダー☆」を、次いでマリン船長が「Suspect」を歌い上げ、そして2人で「Candy-Go-Round」を歌ったのですが…
そもそも「キラメキライダー☆」はホロライブ全体のテーマ曲らしく、そして「Suspect」「Candy-Go-Round」もオリジナルは別の方であり、二人のオリジナル曲…という訳ではないようです。
おまけに二人は元々アイドルという柄じゃないそうで、船長も「二人はどちらかと言うと動けないタイプ」と幕間で語っていましたし、ルーナものっけからバテてきたと言ってます…マジか。でも船長の歌う「Suspect」はなかなかセクシーで良かったですよ?

そんな二人に何故オファーがかかったのか…とルーナも疑問に。
や、ルーナは以前にクリィミーマミの「デリケートに好きして」を歌ったことがあるようですし、船長はそれこそアニメに詳しい方だったのでその辺かと思っていましたが…その答え(?)は、らぁら登場後のVtuber達とのやりとりで分かったような気がします。

 

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名取「てか、名取達のこと、ご存じなんですか…?」
らぁら「うん!同じアイドルとしてもちろん知ってるよ~」
船長「え!?我々、アイドル枠として認知されてるんですか!?」

らぁらにとっては、船長もルーナも名取も「アイドル」。これなんですよ。

プリパラとは、誰もがアイドルになれる仮想現実空間である…というのが「プリパラ」の世界観でして、歌が上手くなくても、ダンスが得意でなくても、老若男女関係なく、アイドルになれる夢の世界なんです。そして真中らぁらは、同じプリパラのアイドルなら皆友達!という信念を抱いています。
して、ヴァーチャル空間でライブするというこの空間はある種「プリパラ」のようなものであり、そして、ここがプリパラ同然ならば、ルーナや船長、そして名取さながこうしてライブしている時点でもう「アイドル」なんです!
アイドルって柄じゃなくても関係ない!ステージに立てば皆アイドル!
これこそが船長たちがこの場にいる意義だと個人的には感じましたね…!

船長「なんだかねぇ、もうすごい今日アイドルらしくなってきちゃった。アイドル然としてきましたねぇ~」
ルーナ「なった?なったのらかな?え?」

 

・夢はもう夢じゃない

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続いては名取さな。
自身の持ち歌である「さなのおうた。」「アマカミサマ」「PINK,ALL,PINK!」の3曲を熱唱してくれました。

そんな名取さなですが、私は実は以前より彼女の事を知っていました。その理由は勿論、大のプリパラ好きである事から。
昨年、プリパラの無観客配信ライブ「パラダイストレイン!」の感想ツイートを漁っていたところ、なかなか可愛いイラストを添えていたのを気に入ったのですが、その後Youtubeでなんか似たようなイラストを添えてパラトレ感想配信をしているVtuberがいてアレ…?と思って見返したら、そのツイート主こそそのVtuber、名取さな本人のものだったという…名前だけなら前から聞いてはいましたが、「プリパラが大好きなVtuber」として知るようになったのはこれがきっかけでしたね。

彼女のプリパラ愛はだいぶ半端なく、普段の配信でもプリパラの話となると途端に限界オタクトークかまし、更には、自身のライブイベントである「さなのばくたん」で、プリパラのライブ演出のひとつである「サイリウムチェンジで衣装を発光」させ、更に神アイドルの特権である「発光するサインをバックに添える」という、これでもかという程のプリパラオマージュ演出で「Make it!」を歌うという凄いことをやっています。(これは不覚ながら後から知りました…)

そして今回も、幕間トークの際に突然ガァルマゲドンの推し語りをする程に限界オタクっぷりをかまし、そして…

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船長とルーナと共に、プリパラ楽曲である「Pretty Prism Paradise!!!」を熱唱!

流石プリパラ愛が強いだけあって、センターに据える名取のダンスはなかなかのもの。ホロライブ勢の二人も、忙しいなか練習してくれたそうで…

これまでこうして、大好きなプリパラに純粋であり続けた名取さな。だからこそ…

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憧れのらぁらとの共演は、それはもうかけがえのない「夢」だった事でしょう。

らぁらが登場し、そして面と向き合う瞬間が訪れた時の名取の高揚感はもう限界振り切っていましたよもう…!そしてそんな名取に対してもフレンドリーならぁらがほんと神アイドルですね…!
「プリパラ」ひいては「プリティーシリーズ」というのはほんと、「女の子の夢を叶える」というのが全体のコンセプトだからなのでしょうか、ファンや出演者の想いまでも、いつか叶ってしまう。そんなミラクルを幾度も起こしてきたシリーズなんです。
そしてまたひとつ、このライブで「名取さなの夢」をも叶えてしまったんです。いやほんと、このイベントを初めて知った時、名取の為のイベントなんじゃないかってくらいに思いましたもん!
Vtuberの3人がらぁらに質問する機会があったんですけど、名取だけ2回もしてましたからねぇ…

夢はもう夢じゃない。「Make it!」の歌詞の一部にして、プリパラを体現するワードを、この場でも成し遂げてしまった事は、ほんと感動のひとしおです。改めて、一生付いていくよ、プリティーシリーズ。

ちなみに、後日の感想配信で、夢は叶ったとはいえ、まだまだ叶えたい夢は沢山あると語っていました。筐体買いたいとか(
…あの時、らぁらも「夢は溢れるくらいいっぱいあってもいい事をゆいに教えてもらった」と語っていたように、夢はいくらでもあったっていいんです!
むしろどんどん夢っつーか要望をぶちまけ!プリパラ・プリチャンのライブイベントの時も出演陣みんなしてやりたいことぶちまけてますし!見てますか大庭さん!名取さなって子に何かしらプリティー案件あげてやって頼むーーーーーーっ!(

名取「ほんと、夢はもう夢じゃないって、こういう事なんだって、大興奮してます!」

 

・奇跡の出会いよ、もう一度!

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「Pretty Prism Paradise!!!」の直後、名取たちの歓声とともに真中らぁらが登場!「ThankYou♡Birthday」と「Love friend style」を披露してくれました。

特に「ThankYou♡Birthday」は、長らくプリパラのファンであった身としてはものすごく感慨深いライブでした…というのも、この曲は、らぁら唯一のオリジナルソロ曲であり、そしてらぁらプリパラデビュー1周年のイベントで初登場した曲でもあります。
一方で劇中では歌わず、71話の特殊EDで流れたのみであり、それ以後もライブイベントでは貴重なソロ曲として披露する機会はありましたが、これまでずっと「らぁらとしてのライブ」は成されなかった曲でもありました。おまけに筐体でも収録されず…
なので今回、このイベントでやっと初めて、「らぁら」として「ThankYou♡Birthday」を披露した瞬間でもありました。ここでもまた一つ、「想いが届いた」んですね。

そして2曲披露したところで先述の通り質問タイム。
「気に入ったコーデは?」という名取の1回目の質問に対し、「ブリリアントプリンスの(サイリウム)コーデを着た時も楽しかったな~」ってそれ、どっちかと言ったら中の人(茜屋さん)の趣味では…でも名取が気に入った執事コーデ共々青コーデらぁらは好きなのでね私も。ウン。やっぱみんな青コーデらぁら好きなのかな?(飛躍しすぎ)
そしてらぁらの方も質問がしたいという流れになったのですが、その質問が…

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「ここ…どこ?」

あっけにとられる一同ですが、どうも当初はこのバーチャル空間ではなく、「プリパラ内」でライブするつもりだったらしく。これは一体…?

 

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「それはね、私が呼んだの」

そう言いながら、満を持してクリィミーマミ登場!
あいさつ代わりと言わんばかりに「パジャマのままで」を披露します。

何故らぁらがプリパラではないヴァーチャル空間にいるのか。それはマミが魔法で呼び寄せたからでした。
アニメにおけるアイドルとしてはレジェンド中のレジェンドとも言えるマミの登場に一同は盛り上がり、それに応えるように続けて「LOVEさりげなく」「BIN♥KANルージュ」を披露していきました。

全員披露したところで、このライブフェスもお開きの時が。
一人ずつ挨拶する中、マミの歌を歌った事のあるルーナは憧れのマミとお会いできた事に感激していましたね…!
そして最後は5人全員で「デリケートに好きして」を歌うのですが…

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ここでらぁらが、クリィミーマミとお揃いのコーデにチェンジ!
アニメ用CGでなく筐体用CGだったのはこの為だったんですね…!

以前、「プリパラ」と「クリィミーマミ」はコラボした事がありました。
このコーデはその際に排出されたもので、他にはコラボビジュアルでマミが来ていたマミカラーのらぁらのコーデと、らぁらカラーのマミのコーデもラインナップされていました。

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クリィミーマミ」と「プリパラ」。最早親世代と子世代…としても怪しいレベルに時代差があるタイトルどうしのコラボは発表された当時も驚きを隠せませんでした。が…

この2作品は、まるで点と点が線で繋がるかのように共通点が数多くあった、奇跡の巡り合わせだったのです。

らぁらを演じる茜屋日海夏さんは、声優アイドルユニットである「i☆Ris」の一員、つまり声優でありアイドルです。そしてマミを演じる太田貴子さんも、「魔法の天使クリィミーマミ」の出演と同時にアイドルデビューした経緯をもっており、彼女もまた声優でアイドルなのです。ちなみに茜屋さんも太田さんも同じ81プロデュース所属だったりします。
また「クリィミーマミ」というのは、元は森沢優という10歳の女の子が、ひょんなことから授かった魔法の力で16歳の少女に「変身」した姿であり、その姿が芸能事務所の目に留まりアイドルになった…という物語であり、魔法少女アニメでよくある「変身もの」という要素を持ち合わせていましたが、「プリパラ」もまた、小学6年生であるらぁらが、プリパラの世界では高校生ぐらいに成長した姿に「チェンジ」し、プリパラアイドルとなって活躍する物語であり、こちらもまた「変身もの」の要素があったのです。
そして極めつけは、らぁらの初期案にありました。

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※写真は「プリティーミュージアム」で展示されていたもの。 

ある程度主人公のデザインが決まりつつあったところで、色をどうするかで検討していたのがこれ。最終的に一番右下の案を元に更にデザインがクリンナップされていくのですが、紫の髪に黄色と白のコーデ…というと、それこそマミと似通った色使いだったのがお判りでしょうか。最終的に決まったデザインも、メインコーデである「トゥインクルリボン」のコーデは、ピンクの差し色が際立つものの、基調は白と黄色ですしね。
しかもプロデューサーである大庭さんも、プリパラという作品を立ち上げるにあたっては、「クリィミーマミのようなのをやりたい」と語っていました。
そのくらい、らぁら誕生の裏には「クリィミーマミ」がかなり影響していたのです。

…そのような、個人的には『「はつね」から「発音ミク」へ』ばりにエモエモなエピソードを秘めた奇跡のめぐり合わせではありましたが、当時行ったのはコラボビジュアルの発表とコラボコーデの実装程度で、実際にらぁらとマミがライブする…という訳ではありませんでした。
それが今回のイベントで、らぁらとマミが再会を果たし、そして遂に一緒にライブする事も実現した形となりました。それもらぁらがマミコーデを纏うというステキ演出も加えて…!

マミ「なーんか魔法かけたでしょ?」
らぁら「私がですかぁ!?」

 

・夢と魔法の1時間半

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アニメキャラとVtuberのコラボ…という異色のイベントでしたが、蓋を開けてみれば、Vtuberの世界観、プリパラの世界観、クリィミーマミの世界観が非常に良く組み合わさり、そして各々に「物語性」が生まれたステキなものになりました。
アイドルって柄じゃない者もアイドルになれて、憧れのキャラクターに会うことが出来、奇跡の2人が奇跡の再会を果たす…まさに「夢」が実現しまくりなひと時でした。これも「魔法」がもたらしたものなのかな?と思いつつも。
また、このイベント自体、開幕いきなりライブが始まり、最後の曲を披露し終えたと同時にそのまま閉幕したので、それこそまるで夢でもみていたような、魔法でもかけられていたような感覚でしたね…まさに「夢と魔法」の1時間半でした。
こうしたクロスオーバーが強いイベントはこれからもどんどんやって欲しいものですね。

プリティーシリーズ大好きな自分が、今年に入ってからというもの、御伽原江良がプリパラに再燃したり、その相方だった森中花咲がシンカリオンZのEDを担当するようになったりと、どうにもVtuberが身近になってきて、最近は明確に加賀美ハヤトを推すようにまでなった私なんですが、そんな最中にこのイベントに出会ったのはむしろ必然だったのかもしれません。
奇しくも、この記事が書き上がった日の「プリティーオールフレンズセレクション」は、Vtuberモチーフである虹ノ咲だいあとバーチャルアイドル・だいあの回でした。
それらもひっくるめて、こうした奇跡のめぐり合わせを目の当たりに出来た事に感謝です。ありがとうございました!

…最後は、先ほど触れた加賀美ハヤト社長が、3Dお披露目配信の際に「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン(タカラトミーから借りた本物)を召喚する」という「夢の瞬間」をやった際の社長の言葉でこの感想を締めようと思います。

「皆さん…あるんですよ! こういう瞬間も…人生には!」