遂に開催当日を迎えてしまったアイドルタイムグランプリ。
しかし、最少催行人数のキーであるにのはこの日はなんとソフトボールの試合の日が。
だったら、とっととそれを終わらせてライブに臨めばいい!
愛と、友情と、そして夢が詰まった、"ふたつの戦い"がいま、プレイボール!
・野球タイムプリパラ
実はソフト部の部員はたった2人だった事実。助っ人ににの、チア部の5人、そして詩子を加えたナインで試合に臨みます。
その間グランプリ会場は派遣中だったみれぃとそふぃを呼び寄せ、そらみスマイル再集結で前座を務めます。その間に試合を終わらせれば万々歳という寸法です。
ところが、相手チームがどういう訳か黒毛和牛の大群に巻き込まれて来れず、しかも代わりにミミ子率いる風紀委員チームが立ちはだかります。実は相手チームを阻んだのも奴の仕業。カネかかってそう(
しかしこちらはスポーツ万能のにのがいます。風紀委員なぞ目じゃない…と思いきや、ミミ子の地獄耳パワーに思わぬ苦戦を強いられます。前回のペイントシューティングもそうでしたが、ぶっちゃけ五感のうち耳さえ良ければマジで最強なのでは…
更にヘロヘロ魔球にペースを乱され、詩子が蝶を追ってどっかに行ってしまったり、代わりに運動神経ZEROのゆいが入ったりと戦況は更に悪化。
このままでは…負ける! そして、間に合わない!
・頼れる先輩とにののスランプ
その時、謎の虚無僧…東堂シオンが再び現れます。ミミ子の魔球を容易く攻略し、突破口を開いていくと、「疾風勁草」の言葉を残して去っていきました。
その後更にドロシーとレオナも助っ人に参戦。戻ってこないシオンを探しに旅に出ており、たまたまパパラ宿に来ていたのです。
頼れる先輩の援護もあり、どうにか食いつないでいく試合展開。しかし、その一方でにのの調子は崩れる一方でした。
無敵だった筈の自身の投球が攻略され、打撃をも封じられる…ショックを受けるにのにミミ子は「井の中の蛙 大海を知らず」と評します。
井の中の蛙…それはつまり、自分の世界は実はほんの小さな範囲だったという事。
シオンが遺した言葉にミミ子による評価で、迷いに迷うにの。しかしそれは余計ににののペースを乱していくのでした。
…にのは完全に、自信を喪失し、スランプに陥ってしまったのです。
シオンが言い残した「疾風勁草」。強い風を受けた時に初めて、折れる事のない強い草かどうか判る…という事から転じて、逆境に陥った時にその人の真価がわかるという意を持つ言葉。にのは今まさに、試されていたのです。
・「夢」に食らいつく少女、夢川ゆい
にのがスランプに苦しむ中、ゆいは諦めずに突っ走っていました。たとえヘタクソでも、早く試合を終わらせて、グランプリを成功させるために…ところが、アクシデントが。フライングキャッチで着地した時の衝撃で足を痛めてしまったのです。
しかし、当のゆいは夢を信じていれば凄いパワーが出る「夢パワー」があるから大丈夫との事。いやいや意味わかんねーよ…と視聴者の誰もが思ったツッコミとともに、にのは早く医務室で手当てを促します。そんな現実的なにのを見て、「夢を信じてないのかな…」とゆいは思うのでした。
「夢」…小さい頃は何か大きな夢をもっていた気がする…そう思い更けるにの。しかし今やそれを忘れ、目先の小さな目標を叶えるだけの生活を送り、更にスランプに陥っていた今のにのは、完全に行き詰っていました。
しかしゆいは試合中こうも言ってました。自分のイメージした通りに行かない事なんてよくあると。思えば、日ごろから妄想ばかりしているゆい。ということは、ゆいにとっては夢なぞ叶わぬ方が多い筈です。
しかし、ゆいの夢にかける思いはそれでもなお計り知れないものでした。足の痛みを「怪我なんてしてない!私の足は鋼鉄だァー!」と、んなムチャな妄想で跳ねのけ、そのままグランプリライブに臨んだのです。全ては、にのに元気をつけるため。そして「夢の力」は無限である事を証明するために!
夢が思い通りになるとは限らない。だからといって、夢に向けて歩むのを止めてはいけない。ゆいのこれまでの軌跡はまさにそれの連続でした。ゼロからのスタートだったパパラ宿のプリパラを、紆余曲折を経てどうにかここまで来たのですから…そんなゆいの「夢パワー」ににのは吹っ切れ、最終回で逆転ホームランを放ち風紀委員チームに勝利しました。ライブの方もどうにか間に合い、にのもゆいの夢パワーを受けて全力でライブに臨むのでした。
・友情がもたらしたもの。それに反する者。
このライブが対決だったのを知らなかったにのをよそに、遂に勝利判定に。すると、突然見知らぬフィールドにゆいが招待され、その前に現れたのは、謎の少女、ファララ・ア・ラーム。アイドルタイムコーデのひとつ、「時のヘアアクセ」とゆいの新たなコーデ「夢サイリウムコーデ」を与えて去っていくのでした。
つまり、グランプリはゆいが勝利したという訳です。めが兄ぃも知らない謎のコーデ…まためが兄ぃ会議案件なんでしょうかねコレ(
何はともあれ、無事にグランプリは完走し、お店も更に増えました。そして、この一件で心を改めた者がひとりいました。ババリア校長です。
実はババリア校長、ゆいが足を痛める中でライブをしていると知り、そんなの許されない中止すべきとプリパラへ突入していました。しかし、そこまでしてゆいがライブをした理由が友情によるものであるのを知った事で、プリパラへ通う事を許すのでした。
結局、校長がプリパラを禁じていたのは、単に生徒の身を想っての事であり、そしてプリパラに対する理解が無かったってだけだったんですな。
一方のミミ子はというと、校長がプリパラを認めるのを見て、プリパラに対する憎悪をより深めるのでした…そしてもう一人、WITHのショウゴ。彼もまた、グランプリライブだろうと「女子パラなんて邪道だ!」と一蹴するのでした。この2人はいったい何故そこまで女子プリパラを嫌うのか…
「アイドルタイムプリパラ」の物語もいつのまにか1クール分まで進んでました。そのクライマックスに相応しい2話連続のお話は、「夢」がもたらす「友情」という話となりました。
「友情」は無印1期から続く「プリパラ」という物語の礎です。そして「夢」こそ今作のキーポイント。今回突然出てきた「夢パワー」でしたが、これは言わば「妄想」の裏返しなんだと思います。ゆいの妄想は時に周囲をも引っ掻き回すほどの迷惑な代物です。しかし、そんなゆいの妄想癖が思わぬ突破口を開いていき、今回はついに足の痛みをこらえるというトンデモな事までやってのけました。馬鹿に付ける薬はないとはまさにこういう事を指すんでしょうな…こうして見ると、「妄想」もまた「短所が時として長所になる」というプリパラのひとつのドラマツルギーである事が1話以来改めて思い知り…いや思いましたね。
「夢」に対するがむしゃらさを見てると、やっぱゆいも、トモダチの為に全力を尽くすらぁらと同じ「プリパラの主人公」なんだなとつくづく思います。そんな所で次回は久しぶりのパラ宿。どうみてもカオス回の予感しかしない(