小田セン。

好きなものは、好きなままでいられるように。

新幹線変形ロボ シンカリオンZ 第21話「出撃、シンカリオンZ 500 TYPE EVA」感想 ~おかえり、すべてのエヴァンゲリオン~

「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン

あの日を境に、すべてのエヴァとさよならした…筈だった。

しかし、思いのほか早く、新大阪で折り返すかの如く、シンカリオンで戻ってきた。

無印、劇場版に続く、3度目の、シンカリオン×エヴァコラボ回として…!

・異界からの、扉。

ワダツミが倒され、とうとう独りで下剋上を狙うしかないかぁと呟くヴァルトム。そうしてヴァルトムが定めたのは、京都は太秦映画村にある、エヴァ初号機の巨像。これを巨大怪物体にし、「鬼エヴァ」となったエヴァ像。しかし、鬼エヴァが放つ力はヴァルトムも制御しきれず、ガフの扉のような黒い空間を放出した後に姿を消してしまった…
翌日、ギンガは他の運転士たちにZギアを通じてその旨を報告していた。そんな中、シンはハナビとタイジュとともに、都市伝説のひとつ「きさらぎ駅」のモデルといわれる遠州鉄道さぎの宮駅へ向かうべく、遠鉄線に乗っている所だった。そうしたやり取りをヤマカサや安城兄弟とするなか、シン達との通信が既読されず途切れてしまう。トンネルでも入ったのか…と思ったが、そもそも遠鉄線にトンネルはない。おや…?
一方のシン達は、遂にさぎの宮駅に到着するが、ホームに降りた瞬間、辺りは夕焼け一色で、しかも周囲には何もない異様な雰囲気に包まれていた。そして「来たか、シンジ…人違いだったか」と、謎のエキセントリックなおっさんが声をかける。「ここに来た原因は分かっている。ここに迎えは来ないようだ」と謎めいた事ばかり言い放つ男を前にシン達は戸惑うが、ふと気づくと、さっきまで乗っていた筈の遠鉄の電車が、エヴァカラーの嵐電に変わっていた。謎の男はその嵐電に乗り込み、シン達も後を追うように乗り込む。謎のオーラを放つ男に、シンはミステリーの探求心を感じていたのだ。
それからというもの、何故か京都に到着したり、東海道新幹線の時刻表に「東京」がある事で自身が違う世界に来た事を把握してたり、消えてた筈の鬼エヴァが再び現れたり、京都支部に大宮支部に置いてた筈のE5があったりと、謎の現象が立て続けにおこるオカルトな事態。更に謎の男も当たり前にように指令室に立ち入っており、指令長代理の本庄も何なんだと戸惑うが、その男の腕についてるNERFのロゴで、その男が「新世紀エヴァンゲリオン」の登場人物、碇ゲンドウである事に気づいてしまうのだった。

…シン、とうとうオカルトな現場に遭遇するの巻。駅名標が「きさらぎ駅」だったことに気づいてないのは意図的な演出なんですかな?
そして今回はそう来たか!といえる導入でしたね。以前は「ハヤトの方がエヴァの世界に訪れる」という展開でしたが、今回は真逆で「エヴァの世界の人物がシン達の世界に来る」という流れに。ハヤトが路線図に東京駅が無い事で異世界に来てた事に気づいたように、今度はゲンドウが時刻表に東京駅がある事で異世界に来た事を把握してた訳ですね。これまでのシンカリオンの世界観に、シンのオカルト好きも相まって、よりミステリアスな物語運びになるというシナジーが凄かったです。巧く絡まったなぁと。

・帰ってきたエヴァンゲリオン

かくして、シン曰く「人造人間」の鬼エヴァと戦うE5だが、鬼エヴァの凶暴さと強力なバリア「ATフィールド」を前に手も足も出ない。だがゲンドウは「時間稼ぎをしてくれればいい」と言う。前座かよ!?とツッコむハナビだが、本命は山陽新幹線六甲トンネルから突如現れ、シンカリオンに変形した。ゲンドウと同じく、碇シンジも「シンカリオン 500 TYPE EVA」と共に、「こちらの世界」にやって来たのだ。
シンのエキスカリバーで鬼エヴァの動きを封じ、シンジがプログレッシブシンゴウトウでATフィールドを打ち破る見事な連携で鬼エヴァを撃退…と思いきや、鬼エヴァが暴走状態となりE5に襲い掛かる。
このままではE5が喰われる…その時、この世界に紛れ込んだ専用ザイライナーを探すべく、ゲンドウやシンジ同様こちらの世界の名古屋に来ていたレイとアスカが、その見つけ出した「ザイライナーミュースカイ TYPE EVA」をシンジの元へと急行させる。
500EVAとZ合体し、「シンカリオンZ 500ミュースカイ TYPE EVA」となったシンジは、E5を救出し、そしてブンキヌスの槍で鬼エヴァを今度こそ完全に撃退した。
戦いを終え、元居た世界へと戻るシンジとゲンドウ。それをシンが追いかけようとした瞬間、シンとハナビとタイジュは、本来の目的地であったさぎの宮駅のホームにいた。
これまで見たのは何だったのかと困惑するハナビとタイジュ。しかしシンだけは、一連の超常現象を目の当たりにした事にただただ喜ぶのであった…

…という訳で、500がZ化されるならTYPE EVAもZ化するでしょ!?という気マンマンだった劇場版以来の500エヴァ回。従来がクロス合体要員だったが故にデザインも重々しい感じだったのに対し、今回は通常の2両変形になった事でよりエヴァらしいシンプルな面持ちになりましたね。変形バンクでもシンゴウトウをプログナイフっぽく肩から抜刀するのが「らしい」ですね。元々シンゴウトウがナイフっぽいデザインだったのが偶然には出来過ぎてるますね…
そしてZ合体もやっぱりエヴァ。それで選ばれたのがまさかの私鉄、名鉄ミュースカイでした。合体バンクもオリジナルの500と違い、縦構図になった事でエヴァ射出の時のような演出もニクいですね。Zでも元ネタオマージュマシマシで良かったです。
玩具は12月発売。真っ先に予約完売になった辺りやっぱエヴァすげぇなぁ…発売後に買えるかな…(
あと今回の本庄。ゲンドウ本人と気づくなり、指令長席にゲンドウを座らせたり、撃退の際には「勝ったな…」と冬月と化してたりと、ここでも「分かって」ましたね。

・おかえり、すべてのエヴァンゲリオン&エヴァ列車

「シン・エヴァンゲリオン新劇場版」で、文字通りエヴァと「さよなら」した衝撃のクライマックスで幕を閉じた、「新世紀エヴァンゲリオン」。私も上映終了直前にやっと観ましたが、新劇場版からの身だったとはいえ、ほんと「すべてのケリ」を付けた長い長い旅の終わりだったんだなぁというのは実感できました。
で、そんなシンエヴァの「完結」感も冷めやらぬまま、今度はシンカリオンで割と早く帰ってきちゃったというね(
しかしシンエヴァを見た事で、シンカリオンでのシンジ像はむしろシンエヴァを経た後のシンジだったのかな…と解釈できるようになってしまいましたね。あそこまで先輩っぽく大人びたシンジややけに丸くなったゲンドウはそういう…(
実はシンエヴァのエンディングロールでは「新幹線変形ロボ シンカリオン」もクレジットもされており、劇場版シンカリオンではシンエヴァとコラボしたプロモーションムービーも上映前に流されていました、そのくらい最早密接な関係になっていたエヴァシンカリオン。元は500EVAありきだったのがここまで…
庵野監督が酷い鬱からなんとか立ち直り、凍結していたシンエヴァの制作に再び取り掛かった矢先にシンカリオン無印が始まり、庵野監督が感銘を受けたのは必然だったのかもしれませんね…!

なお今回は、劇中では3つのエヴァンゲリオンコラボ列車が登場していました。

JR西日本500系「500 TYPE EVA」
名鉄2000系エヴァンゲリオン特別仕様ミュースカイ
嵐電モボ611形「エヴァンゲリオン仕様ラッピング電車」

実はいずれも現在は既に運行を終了しているもの。そういう意味でも「帰ってきたエヴァ」だったのです。

長年の時を経てようやく「完結」したエヴァンゲリオン
そんな大先輩の背中を見つつ、「シンカリオンZ」の方も後半戦に入ります。
ドクターイエローももう3代目か…